猫のための手作りご飯の材料
市販のキャットフードでもオーガニック系、無添加系など良いものはありますが、より猫のご飯にこだわりたい場合は手作りご飯を与えるご家族もあります。
ひと昔前は、ご飯にお味噌汁をかけたものを「ねこまんま」として猫に与えていたこともありましたが、これは塩分が高すぎる可能性が高いので猫のご飯としてはNGです。
では、どういった食材、材料であれば猫の手作りご飯として適しているのでしょうか?
猫の手作りご飯は人間用のご飯とは違い、材料さえ気を付ければシンプルに作れますので、まずはどういった食材、材料が猫の手作りご飯に使えるのかをまとめてみました。
目次
猫に手作りご飯をあげる時の注意点
まず、猫に手作りご飯を作ってあげる時の注意点をまとめておきますね。
- 手作りご飯へは徐々に移行する
- 中途半端な知識で毎食手作りご飯にするのは危険
- 肉・魚:穀物:野菜の割合を考える
- 調味料は不要
- 猫には与えてはいけない食材を知っておく
猫の手作りご飯へは徐々に移行し、毎食手作りご飯にするのは控える
まず、猫に手作りご飯を食べてもらいたいと思ってもすぐにご飯の全量を全て手作りご飯にしてしまうのは早計です。
猫の個性・嗜好にもよりますが、手作りご飯を作ってもすぐに喜んで食いついてくれるとは限りません。むしろ食いつきが悪い猫の方が多いと思います。
最初は普段のご飯に少しトッピングする、おやつとして与えるなどから始めることをお勧めします。
また、猫の食事すべてを手作り食にしてしまうと栄養が偏ってしまう可能性が高いです。
猫の栄養について教育機関や研究機関で専門知識を学んだ方以外は中途半端な知識で毎食手作りご飯を与えるのは猫の健康にとって悪影響を及ぼす可能性があることを知っておきましょう。
肉・魚:穀物:野菜の割合を考える
猫の手作りご飯は、基本的に肉と魚、穀物、野菜を組み合わせて作ります。
それぞれの割合として
肉・魚:野菜:穀物=7:2:1
程度の割合を目安にすると良いようです。
※須崎動物病院の「かんたん!手づくり猫ごはん」を参考
肉食の猫にとって何より大切な栄養素が「たんぱく質」です。
手作りご飯を猫に与える場合も、「たんぱく質」である肉・魚を中心としたメニューを考えることが基本です。
穀物、野菜は全体の3割以下程度あれば十分です。
穀物については、猫に不要もしくは害になると考えている方が時々いらっしゃいますが、穀物自体が害になることはありません。
そもそも、猫の好物として知られているネズミは穀物を食べます。
猫がネズミを丸ごと食べたときにネズミのお腹にある穀物も一緒に食べることになります。
自然の環境で暮らしている猫もネズミなどの小動物を通して穀物を少量採るのが自然です。ただし、摂りすぎてしまうと問題ですので、猫の手作り食を作る場合は穀物の量は全体の2割程度にとどめておくようにしましょう。
調味料は不要
猫の手作りご飯には調味料は不要です。
人間の食事のイメージで調味料を使ってしまうと猫にとっては塩分の摂りすぎとなりますので、健康を害する原因となります。
猫に与えてはいけない材料を知っておく
猫は食べ物で中毒を起こしやすい生き物です。
人間は大丈夫なものであっても、猫にとっては食べていけないものが多数あります。
有名なところでは、玉ねぎ(ネギ類)やチョコレートなどがあります。人間が大丈夫な食材や普段家庭でよく見かける食材にも猫が食べてはいけない食べ物は多数ありますので、猫の手作りご飯を作る場合は、食材を選ぶ際に猫が食べても大丈夫かどうかを必ずチェックしてからにしましょう。
猫に与えてはいけない食材については、
参考記事猫が食べると危険な毒になる食べ物一覧
でもまとめていますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
猫の手作りご飯メリット・デメリット
猫の手作りご飯についての最低限の注意点を確認した上で、メリット・デメリットについてまとめておきます。
言葉の響きだけ聞くと、良いことが多そうな猫への手作りご飯ですが、以外にもデメリットは多いものです。
〇猫とのコミュニケーションの一環となる
〇新鮮な食材を使えば鮮度の高いご飯を与えることができる
〇添加物などを排除できる
〇水分補給しやすい
〇アレルギー対策ができる
〇猫の体調に合わせてご飯を調整できる
手作りご飯のメリットは、猫と家族とのコミュニケーションが深まること以外にも、鮮度が高く添加物などを含んでいない食事を与えることが可能です。
また水分を積極的にとらない猫には手作りご飯で水分を補給してあげることも可能、またアレルギー対策やその日の体調に合わせたご飯を猫に与えることができます。
ただし、上記のメリットのうち猫とのコミュニケーションについて以外は、キャットフードでも補完できるポイントでもあります。
〇手間がかかる
〇知識不足の場合、猫の健康を害する可能性がある
〇猫が食べると危険な食材が多い
〇猫の食いつきが悪い
〇お留守番時など長時間の置きご飯には向かない
一方猫の手作りご飯のデメリットは、作るのに手間がかかることに加え、栄養の偏りで猫の健康に悪影響を与えたり、猫が食べると危険な食材を誤って与えてしまう可能性があるなど、猫の健康面でのデメリットが目立ちます。
また、お留守番時などは手作りご飯をあげることは難しいですね。
猫の手作りご飯については、メリットもあるものの、どちらかと言うとデメリットの方が深刻ですので、一般的には積極的に進める猫の専門家は少数です。
猫の手作りご飯のメリット・デメリットを考えると、キャットフードに時々トッピングするといった方法が一番現実的な方法かもしれません。
猫の手作りご飯におすすめの材料・食材
1食分をしっかり手作りで作ってあげるにしろ、キャットフードにトッピングするのみにとどまるにしろ、猫の手作りご飯に使える定番の食材を知っておくことは重要です。
猫の作りご飯におすすめの材料・食材には以下のようなものがあります。
鶏肉
一番手に入りやすく、猫の嗜好にも合っているのはやはり「鶏肉」です。
キャットフードでも鶏肉がメインのフードはたくさんありますよね。ササミや胸肉などは脂肪分も少なめでスーパーなどでも安く購入することが可能です。
スーパーなどで購入した鶏肉は基本的に加熱調理して与えますが、時々ペット用の生で食べられる鶏肉のひき肉も専門店で販売されているので、こだわりたい方は購入なさる方も多いです。
例えばこちらのとり農園さんは、猫の手作りご飯や生食にこだわる方から人気があります。
石川県で鶏肉の飼育から加工販売まで一貫して行っている北陸で唯一の会社です。
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「本来のいきものの姿に近い状態でいられるように犬や猫に届けたい」と、とり農園さんでは鶏肉は人間が食べるものと同じものを使い、生肉をミンチして冷凍するだけ。ほとんど加工をしていない商品です。
魚(アジ、カツオ、マグロ、サンマなど)
お魚については、基本的にアジ、カツオ、マグロ、サンマなど一般的にスーパーに売っているお魚をゆでるだけでも十分喜んでくれます。
ただし、魚は与え過ぎに注意です。
参考記事猫が食べると危険な毒になる食べ物一覧にも書いていますが、
例えば、青魚(アジ、イワシ、サバなど)はあまり多量にあげてはいけない食材です。
これは青魚に含まれる「不飽和脂肪酸」の摂りすぎで、「黄色脂肪症(イエローファット)」という皮下脂肪が酸化して変性してしまう病気になるためです。
また、刺身で売ってあることが多いマグロは、猫さんがヒスタミン食中毒を起こす可能性もあります。
基本的に熱を通すことをお勧めしますが、生で与える場合は必ず新鮮な状態で少量与えるようにしましょう。
かぼちゃ、さつまいも
猫に手作り食を与える場合に肉や魚以外のお野菜類も混ぜたいと思った時に、手軽で便利、かつ比較的猫も食べてくれる確率が高いものに、かぼちゃやさつまいもなどがあります。
かぼちゃやさつまいもも、ゆでて柔らかくしたものを滑らかにすりつぶすだけでOK。
市販のキャットフードにトッピングの場合は少量混ぜてあげればOKですし、全量手作りにする場合は、「肉・魚:穀物:野菜=7:2:1」を目安に入れてあげます。
穀物(米、小麦、大麦、とうもろこし)
猫に穀物を与えてはいけないという情報も時々ありますが、決してまったくあげてはいけないわけではありません。
最近はグレインフリー(穀物フリー)という市販のキャットフードもありますが、基本的に極少量であれば、猫にとって穀物は害ではありません。
少量の穀物は食物繊維によって、毛玉の排出や腸内洗浄を促せるというメリットもあります。
そこで猫の手作りご飯を作る際は、米、小麦、大麦、とうもろこしといった穀物も少量混ぜても問題ありません。
ただし、与え過ぎは厳禁ですので、1食の全量を手作りご飯にする場合は、全体の1~2割以内になるように注意しましょう。
猫の手作りご飯食材についてのまとめ
猫の手作りご飯は食材にさえ気を付ければ調理自体はシンプルで簡単です。
とはいえ、キャットフードに比べると手間がかかることは間違いありません。また、栄養バランスについての知識がないまま作ってしまうと、猫の健康のための手作り食が逆に健康を害してしまうことにもなりかねません。
また、猫が食べてはいけない食材についての知識は必須です。
まずは、猫の手作りご飯について専門科によって書かれたレシピを元に、試してみることをおすすめします!