猫は完全室内飼いがおすすめ

002002一昔前や田舎では猫は家と外を自由に行き来しているスタイルが一般的だったかもしれません。
今でも人間と暮らしている猫で、自由に外へ出ている猫もいます。

けれど、猫の専門家が口をそろえて言うのが「猫は完全室内飼い」が一番という意見です。
私自身も猫は完全室内飼いが猫にも一緒に暮らしているご家族にも一番良いと思う暮らし方です。

では、どうして猫は外に出さずにお家の中だけで暮らす「完全室内飼い」が良いのかをまとめてみました。

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猫を完全室内飼いするメリット・デメリット

まずは、一般的に言われている猫を完全室内飼いするメリットとデメリットをまとめてみました。
尚、避妊・去勢手術をしている猫という前提です。

猫を完全室内飼いするメリット

  • 外から病気をもらわない
  • 外猫と争うことがない
  • 自動車事故等に遭わない
  • ノミなどをもらわない
  • 悪意ある人間による虐待に遭わない
  • 野良猫と間違って連れて行かれることがない
  • トイレや食事等しっかり健康管理ができる

猫を完全室内飼いするメリットは、特に猫の安全・健康面においてかなりたくさん挙げることができます。猫にとって家の外は危険が多く、またトイレや食事も外の世界で済ませてしまうと、一緒に暮らしている人間は猫の体調の変化に気付きにくくなります。

また、猫が病気や怪我をする他にも、ノミをもらってきたりと、人間の環境にも悪影響を与えてしまうため、猫を外に出さずに完全室内飼いで暮らすことは猫にとっても人間にとってもたくさんのメリットがあります。

完全に外で暮らしている野良猫さんの寿命は3年~5年と言われています。一方で完全室内飼いの猫さんの寿命は15年~20年以上長生きする子もいます。
単純に比較することはできませんが、猫の寿命という点だけで見ても、室内で暮らしている猫の方が安全に健康に暮らしている傾向があります。

以下の記事でも、完全室内飼いの猫と外猫の年齢の違いについても書いていますので、参考にしてみてください。
参考記事猫の年齢を人間に換算すると何歳か

猫を完全室内飼いするデメリット

一方、猫を完全室内飼いするデメリットについても見てきます。

  • 外の世界に比べて刺激が少ない
  • 運動量が少ない
  • かわいそうな気がする

猫を完全室内飼いにするデメリットは、メリットに比べて非常に少ないということがわかります。
一つ一つの項目を見ていきますと、

●外の世界に比べて刺激が少ない、運動量が少ない
という2点は、猫の暮らす環境を整えることでクリアできます。例えば人間が猫と遊ぶ時間やスキンシップを増やしたり、高低差のある家具、キャットタワーなどを用意する、窓から外を見れる場所を用意する、猫がよろこぶおもちゃ、爪とぎ等を用意するなど、人間側の工夫で完全室内飼いの猫にも十分で安全な刺激を与えてることができます。

●かわいそうな気がする

猫を完全室内飼いにする点で一番聞くのが、『ずっと家に閉じ込めておくなんてかわいそう』という意見です。特に年配の方がひと昔前の猫の飼育のスタンダードが放し飼いだったことから、こういった意見を持っている方が多いように感じています。

猫の完全室内飼いはかわいそう?

けれど、完全室内飼いの猫で不幸せに暮らしている猫は私は見たことがありません。狭いケージにずっと閉じ込めているわけではなく、猫にとっては十分広いスペースを自由に動き回り、毎日美味しいご飯にありつけて、きれいなトイレが用意してある。

私から見ると、完全室内飼いの猫は楽園で暮らしているようなものです。

外に行かない完全室内飼いの猫をかわいそうだと思うのは、猫を人間と同じように考えてしまっているからであって、猫は安全な場所と美味しいご飯と適度に動き回れるスペースがあれば十分幸せです。
人間は旅行が好きな方が多いですが、猫は外で暮らしていても基本的に狭い縄張りから出ることはしません。危険だからです。人間だったらずっと家の中だけで過ごすのはカワイそうかもしれませんが、猫にとっては環境が整ってさえいれば、本当に幸せなんです。

完全室内飼いの猫は外に出ないからストレスが溜まるんじゃないかと心配する方も多いのですが、外に出て他の猫と争う方が猫にとっては重大なストレスになるのではないでしょうか。
大切な家族である猫に余計なストレスをかけずに幸せに暮らして欲しいと願うのであれば、完全室内飼いで、猫が十分に動き回れるスペースと高低差のある家具やキャットタワー、おもちゃ、爪とぎ、清潔なトイレを用意してあげてくださいね。

室内飼いの猫が外に出たがる場合

猫が外に出たがる猫を完全室内飼いにするメリット・デメリットはをまとめてみましたが、いざ完全室内飼いをしようと思っても、長い間外で暮らしていた猫や放し飼いにしていた猫は、外に出たがることが多々あります。

外に出してくれるまで、ず~っと玄関のドアの前で鳴いていたり、ガリガリとドアを爪で研ぎ人間に「外に出た~い」とアピールするため、ついつい猫の要望に応え外に出してしまうというご家族は多いです。

確かに、こういった状況を見ると猫を外に出してあげないのはかわいそうと思ってしまう気持ちもわかります。
けれど、まずは1か月何とかご家族が我慢してみることが重要です。

猫は習慣を大事にする生き物です。猫にとってみれば、これまで習慣としてきた、家の外の自分のテリトリーへ行くことができなくなったので、最初は自分のテリトリーが他の猫にとられていないか気になってテリトリーをチェックしに行きたいというストレスを感じているかもしれません。
けれど、1か月もすれば、自分のテリトリーは家の中だけだと納得してくれるので、外で出たがることがなくなる場合が多いです。

すぐに全く外に出さない様にするのが難しい場合は、ハーネスをつけて散歩させることから始めてみてください。
放し飼いで猫が人間の目の届かない場所で行動してしまうことが最も危険が高い行為ですので、自宅の庭や周辺のみをハーネスで動き回らせることで少しづつ猫のテリトリーを家の方へと狭めていき、最終的には家の中だけがテリトリーだと納得してもらうことが重要です。

その他にも、ベランダや庭にケージを作って、外の景色を楽しめるようにする。犬のようにハーネスでつないで外に一定時間出してあげるなど、方法はたくさんあります。外に出たがるから出してあげるのではなく、いろいろ工夫して猫が完全室内飼いできるように頑張ってみることが最終的には猫とご家族双方の幸せに繋がるのではないでしょうか。

脱走などに注意!

猫を完全室内飼いする場合に問題となるのが、脱走です。
特に玄関やベランダのドアからスルリと出てしまい迷子になってしまう猫が時々います。

この場合猫は外に出たいというよりも、ドアが開いてたのでちょっと出てみたら戻れなくなったという状況が多く、外で猫はパニックになり怯えて固まって動けなくなっています。
迷子猫になると、猫はもちろんご家族にとっても非常に辛いことになりますので、完全室内飼いの猫さんはくれぐれも猫の脱走には気を付けるようにしたいものです。

完全室内飼いの猫の脱走を予防するポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

ポイント

●玄関から奥へ繋がる廊下にドアもしくは柵を設置する
●家に入るとき(玄関から)は足元とドアの間に鞄などを挟みながら入る
●網戸にはストッパーをつける
●ベランダに出すときは目を離さない

脱走対策については、地震などの災害時の脱走含めまとめていますのでこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
参考記事猫の脱走と保護方法

また、外に比べて危険は少ないものの部屋の中でも、コンセントへのイタズラや溜めっぱなしのお風呂のお水、布や紙・紐の誤食など、猫さんにとっては危険な場所もありますので注意してくださいね。

完全室内飼育は人間のエゴなのか?

最後に時々議論になることを見かける猫の完全室内飼育は人間のエゴなのかな?という意見について個人的な考えも書いておきます。
私としては、完全室内飼育というか、猫を飼育すること自体が既に人間のエゴだと考えています。
それでも、猫にとっては安心な寝床、毎日の食事、そして種族は違えど家族がいることで安心してくれる猫がいることも確かです。人間と一緒に暮らしてくれていること自体が既に猫は人間のエゴに付き合ってくれているんです。

人間が猫と暮らしたいというエゴに猫が付き合ってくれている以上、猫の安心・安全・快適をしっかり確保してあげるのが務めではないでしょうか。
そう考えると猫は完全室内飼育で安全で安心な環境が一番ではないかなと感じています。

中にはお外が好きな猫にお散歩させたり、時々外出自由にさせているご家族もいらっしゃいます。
もちろん、ご家族の責任でやってらっしゃるし猫はきっと楽しんでいることでしょうかが、それも結局は人間のエゴなのではないでしょうか。完全室内飼育がエゴなのではなく、人間が猫と一緒に暮らしていること自体が十分エゴなのだと思います。

そんな中で、猫にとって一番安心快適な環境って何だろうと一人一人のご家族が考えてみることが大事なのではないでしょうか。

私個人の考えとしては、猫は完全室内飼いが猫にとっても人間の家族にとってもベストな選択だと思っています。多くの方が猫さんの暮らす環境をしっかり整えて毎日自由に楽しくご機嫌に暮らせるといいですね。

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